磯に住む生きものたちの暮らしを観察

(散歩日:2025/5/29)

 

今回は、かつうら海中公園の前にある磯場までお散歩。磯場に住む生ものたちの観察をしてみました。

散歩日は、干潮12:02にマイナス18㎝で、普段は海の中の海中公園近くから崖を隔てたお隣の吉尾漁港まで、歩いて渡れるほど潮が引いて磯場が広がっていました。大潮の日や引き潮の時間については、潮見表を参考にしてみてください。

磯場は一面にヒジキが

海中展望塔近くまで歩いていくと、磯場は一面にヒジキが!また、海女(海士)さんたちが海藻や貝類などの漁をしている様子が見られました。

今回、お目当ての生きもの観察は、磯にところどころある潮だまり(磯のくぼみに海水が溜まっているところ)を中心に観察していきます。


潮だまりをじっくり見ると...

岩の隙間に「イワガニ」を発見!磯場でよく見るカニです。他によく見られるのは、フナムシ・イソギンチャク・ヤドカリ・アメフラシ。今回は、ちょっと変わった生ものをピックアップしてご紹介します。

 

「まんまるでかわいい」

 

岩陰に潜んでいたのはつるっとした表面の茶色いカニ「スベスベマンジュウガニ」、丸みがあってかわいい。後で調べてみると毒をもっているようで、触れるのは無害ですが食べると危険だそうです!名前に「マンジュウ(饅頭)」とあるのに...。スベスベマンジュウガニを撮影していると、同じ岩陰から右のハサミだけ大きい、ザリガニのような見た目の小さなエビが出てきました。調べても名前が分からず、残念。後日、このエビが「テッポウエビモドキ」ということが分かりました。

 


まだまだたくさんの生きものが

見逃してしまいそうなほど平たく、足が長いオレンジ色がきれいな「トゲアシガニ」。岩の側面に張り付いて撮影するのが難しい!他にも真っ赤なイソバナや、ピンク色や緑色などで磯場を彩るサンゴモ、波に揺れるエビアマモなども観察できました。近くの崖の地層も見応えがありますが、落石が心配なので崖下には近づかないようにしてください。また、一時、太陽の周りに光が虹のように見える現象、ハロ(日暈)が見られました。勝浦の磯場ってたくさんの小さな生きものたちが暮らしているんだな~と、自然の磯場観察って本当に面白いです。ぜひ、体験してみてください。

 

海の博物館のご案内

今回の磯場お散歩をした近くには、「海の博物館(千葉県立中央博物館分館)」があります。室内展示の他に野外や館内で様々な参加型行事が開催され、今回の磯場での観察会も開かれています。専門知識のある研究員さんとより詳しく安心安全に生ものを観察することができます。海の博物館公式サイトは、 こちらから 観察会などの情報をチェックできます。


住所:千葉県勝浦市吉尾123


営業時間:9:00~16:30(入館は16:00まで)


休館日:毎週月曜日・年末年始


磯場観察についての注意事項:

①磯場は滑りやすいため、アクアシューズなど濡れてもいい靴や滑りにくい靴を履きましょう。

②カニなどに手を挟まれてケガをする恐れがあるので手袋を装着しましょう。

③漁業権を取得していない者が採ってはいけない生ものがいます。(例えば、サザエ・アワビ・トコブシ・イセエビ・ウニ・ナマコ・ヒジキ・ワカメなど)

④生きものの生態系を保つために採取する生きものは最小限にしましょう。

⑤生きもののなかには毒を持っていたり、触れてはいけない危険な生きものもいますので事前に調べておきましょう。